北鎌尾根
1日目(8月13日 水曜日)
あかんだな駐車場を5時20分出発のバスに乗って上高地まで。
上高地を6時過ぎに出発して、まずは横尾を目指す。
河童橋周辺は朝霧で霞んでおり、いつもより幻想的な雰囲気が漂っている。

明神に6時40分、徳沢に7時20分、そして横尾には8時10分に到着と、上高地から横尾まで約2時間のペース。
この頃になると天気もよくなってきて暑い。
横尾で少し休憩した後、8時20分に槍沢方面へ出発。

途中で槍沢を下ってきたあっちゃん、nonちゃんらのパーティーと出会う。
槍沢ロッジには9時25分到着。横尾から約1時間。
ここでも少し休憩。
じつはこの休憩場所にいた3パーティー、皆北鎌を目指すパーティーのようだ。
ちゃんとした水場という意味では最後の水場となるババ平のテン場を超え、大曲には10時45分到着。
ここから東鎌尾根上の水俣乗越まで標高差約400mの急登。
標識に従って右手のガレ沢を登って行く。

約1時間の登りで11時50分に水俣乗越へ到着。
ほどなくして、槍沢ロッジで出会った外人さんと年配の方の2人組パーティーが登ってくる。

時間的には昼休憩をとってもよい時間だったが、この水俣乗越は日陰がまったくないので暑い。
北鎌沢出合まで下り切ってから昼ごはんを食べることにして、標識の向こう側のザレ場の急坂を下りていく。
この下り、急なだけでなく足元の砂やガレが崩れていって、なかなかいやらしい。
雪渓が残っている時期はアイゼンがなければ下れないだろう。
大下りの最後の樹林帯を抜けた所で100mほど雪渓が出てくる。
雪渓は残っていないと思っていたのでアイゼンやらピッケルやらは持ってきていなかったが、普通の登山靴でなんとか降りていける程度のコンディションだったのでよかった。
といいながら、何度か滑ってこけたが。。。

雪渓の下りでは左手にこれから登る北鎌尾根と槍ヶ岳を望むことができる。

写真右側のピークが独標(2899m)で、そこから右に落ち込んでいる辺りが本日の到達目標地点となる北鎌のコル。
結局この山行中、槍の姿を拝むことができたのは、ここでの一度だけになろうとは。。。
大下りを約40分下り、そこから勾配の緩くなった沢筋をまだまだ下っていく。
途中から沢の水がたっぷりと流れ出しており、ここで水を汲めるが、少し先に行くと沢の水はすぐに消えてなくなってしまう。

13時半頃に北鎌沢出合に到着。
ケルンが積んであり、下から見上げるとほぼ一直線に北鎌のコルまで突き上げている。
北鎌沢は途中から右俣と左俣に分岐しており、最下流で一本になっている。
北鎌沢は水俣乗越から下りてきて2本目の大きな沢というネットの記述があったが、1本目の沢はおそらく先に水が流れていた上流の間ノ沢のことだと思うが、進行方向背後からの沢なのでわかりにくい。
本日のメインの登りを前にして腹ごしらえすべく、ここで昼ごはん。
2人パーティーは北鎌沢を登り始めた辺りたっぷりと水が出ている場所で昼休憩のようだ。
この日のように北鎌沢でも給水は可能だったが、天候の状態や時期によってはここで水が汲めるとは限らないようなので、できれば事前に水は汲んでいるほうがいいだろう。
そうこうしているうちに、4人組のもう1パーティーが追いついてくる。
14時ちょっと過ぎに3パーティーのうちわれわれがトップで北鎌沢を登り始める。
さて、ネット情報では、この北鎌沢で道迷いしたパーティーが結構多いことに気付く。
で、事前にある程度調べていたはずだったが。。。
結果から先に言うと、見事にコースアウトしてしまった。

帰ってきてからもう一度ネットで調べてみると、北鎌沢でコースアウトするポイントは大きく以下の3ヶ所あることが改めてわかる。
● 登り始めてすぐの左俣と右俣の分岐
● 右俣中間ぐらいにある小さな右への踏み跡
● 右俣上部の大きな分岐
最初のポイントだが、何も考えずに沢に沿って登っていると、自然に左俣へと行ってしまう。
この左俣は雪渓がしっかりと残っている時期には独標の基部辺りまで登り詰めることができるようだが、雪渓がなくなっていると非常に悪い草付きの急登で、かなり危険なようだ。
ただし、この分岐は比較的明瞭なため、注意していればすぐに気付くはずで、われわれもここはちゃんと右への分岐を辿ることができた。
次のポイントが中間辺りで草の中を右へと続いている踏み跡。
ネットの情報で、右俣は「分岐で右へ、右へ」という記述がよく出てくるが、このフレーズが罠だった。
ここを右に行ってしまってはダメ。
もっともこの分岐は、分岐というほどのものではなく、最初メインの沢筋を行こうとしたが「分岐は右へ」というフレーズが頭をよぎって、この罠に嵌ってしまった。
しかも、この踏み跡にコースアウトしているパーティーは非常に多いようで、かなり明瞭な踏み跡ができてしまっている。
道は細いものの分岐地点からしばらくはかなり明瞭な踏み跡がついており、最初は特に疑うこともなく進んでいく。
次第に道が悪くなってきて、踏み跡もやや不明瞭になってきた辺りからコースアウトの疑念を抱くが、後ろにも2人パーティーがついて来ており、もう少し様子をと思ううちにどんどん深みに。。。
ほぼコースアウトしたことが間違いないと確信したのはかなり登ってしまってから。
もう、ここまで来たら引き返すのも大仕事。
後ろのパーティーとも声を掛け合って、多少悪くても稜線に出れば何とかなるかとの目論見で上方突破することに。
草つきの悪い急登で、抜けそうな雑草を掴み掴み、足が滑るのをこらえながら必死で登っていく。
さらに勾配が急なルンゼ状になった辺りで、重いザックを背負った状態で、なおかつ確保なしでは、ちょっとそれ以上登れないなという所へ出る。
空身で確保があれば、なんとか突破できそうな気もするが、その上部の状態もいまいちよくわからない。
ルンゼ下部の右手に、少し平らで上部が被っている岩小屋のような場所があったのでいったん退避して後続の2人(青島さんとクリス)と作戦会議。

クリスがハーネスとザイルを付けて登ってみるということで、青島さんがルンゼ下の木でセルフビレイをセットしてATCにザイルを通す。
登っていったクリスの姿は下からは見えないが、かなり難儀している様子。
そして突然「ウワーッ」というクリスの叫び声と大きな音。
上部は見えないので何が起こったのかわからないが、クリスの声と共に何かが転がり落ちてくる音が響く。
てっきりクリスが滑落して落ちてくると思い、青島さんもザイルを張るが、中間支点はほとんど取れないような場所なのでかなり落ちるんじゃないかと思っていたら、
大きな石だけがルンゼを転がり落ちていき、そして静寂が。
青島さんの呼びかけにクリスが応えて、なんとか無事なことを確認でき安心する。
クリスがクライムダウンしてきて、上も登れない様子だということなので、懸垂下降で撤退することに。
最初の支点はルンゼ下のセルフを取った木でOKだとして、次の支点が取れるかどうか???
下の支点がわからない場合はできるだけ長いザイルがあったほうが有利だが、幸いなことに青島さん&クリスパーティーの持っていた30mザイルと、われわれが持ってきていた50mザイルをつないで80mになる。
つまり1ピッチ40mの懸垂下降ができるわけだ。
これが30mロープ一本だと15mの懸垂しかできないんで、えらい違いとなる。
結果、途中の支点はすべて木で取って40mいっぱいの懸垂下降を3ピッチで安全な所まで降りることができた。
コースアウトした分岐地点まで戻って4人でやっと安堵の一息を。
気を取り直して再び正規の右俣を登って行く。
最後のコースアウトのポイントは上部の明瞭な分岐で、ここは右に行かなければならない。
じつは、われわれがコースアウトして脱出劇を繰り広げている間に、われわれを抜いて先行して行った4人組パーティーはこの分岐を左に行ってしまったようだ。
この先行パーティーには北鎌の経験者がいたらしいが、それでもコースアウトしてしまったらしい。
さらにクリスもこの先行パーティーの後を追って左へと登って行ってしまった様子。
少し遅れていた青島さんは分岐を右に行ったようだ。
その後、さらに遅れて登っていたわれわれもその分岐に到達して左の分岐を10mほど進むが、ここで例の「分岐を右へ」を思い出す。
しばし考えた後、引き返して右へと進むことに。結果、これが正解。
「最後の分岐は右へ」というのもネットでよく出てくる記述だが、どこが最後なのか初めて登る際にはわからんやろ。。。
ただし、その上でももうひとつ小さなコースアウトポイントがあったが。。。
この時点で先行パーティーの姿はまったく見えず、少し心配になって上部に向かって「おーいっ」と声を掛けると、左上からクリスの声が、そして右上から青島さんの声が。
あれっ???
先に書いたように、クリスは左に、青島さんは右へ、お互い違う道を選んでいたようで、この時点でクリスも青島さんが自分とは違う方向に行ったことに気付いたらしい。
後でクリスから聞くことになるが、この左もかなり悪かったらしく、先行の4人パーティーもザイルを出していたようだ。
さて、最後の右への分岐をしばらく登っていくと北鎌のコルへ到着するわけだが、コル手前20mぐらいの地点でやや左方向にやや不明瞭な踏み跡が残っている。
青島さんはこの踏み跡を見落としたようで、右手の方へ登っていってしまった。
で、これまた非常に悪い草付きの急登で、下りてこられない様子なので、こちら側の比較的しっかりした木がある場所まで行って、ザイルの末端を青島さんへ投げる。
ザイルを木に張って固定し、青島さんはザイルを頼りに草付きの斜面をこちら側へうまくトラバースできた。
クリスも稜線通しに無事にこちら側へ合流。
そうこうやっている間に、ミホは北鎌のコルに到着してテントが張れると大喜びしている。
てっきり先行パーティーに北鎌のコルは占領されていて、さらにその先の天狗の腰掛辺りまで行かなければテントは張れないと思っていたので、よっぽど嬉しかったようだ。
北鎌のコルにはテント2張り、一人用テントなら3張りはできそう。
この時点で18:30ぐらい。辺りはだんだんと暗くなってくるのでテントを張って晩飯の準備。
この北鎌のコル、ものすごい虫の数。大量のブヨが数十匹たかってくる。
追い払っても追い払ってもたかられて、ブヨにこめかみの辺りや腕を咬まれるが、そのうち暗くなると少しずついなくなっていった。
持ってきたビールを4人で分けて乾杯!
晩飯は鍋。
鶏肉につくね、大根、人参、舞茸、白ネギ、タラ、豆腐、キムチ、と具沢山の寄せ鍋に最後はウドンやらラーメンやら何でもかんでも入れて、おなかいっぱい。
今回は北鎌尾根〜槍の後、前穂北尾根まで行くつもりだったので3日分の食料にチューハイや梅酒、つまみまでたっぷり、水もかなり余裕を見て5L近く担いできたので、ザックの重量も今回は22〜23kgに抑えるつもりが、おそらく27〜28kgになっていただろう。
ところで青島さんとクリスは埼玉から来ており、クライミングもやっているということでジムを聞いたらやっぱりPUMP1。
そういえば、スイス人のクリスはどこかで見かけたことがあると思っていた。PUMP1で登っていた外人さんを思い出した。
世間は狭いもんで、話も弾み、明日も槍まで4人で一緒に行こうということに。
あかんだな駐車場を5時20分出発のバスに乗って上高地まで。
上高地を6時過ぎに出発して、まずは横尾を目指す。
河童橋周辺は朝霧で霞んでおり、いつもより幻想的な雰囲気が漂っている。

明神に6時40分、徳沢に7時20分、そして横尾には8時10分に到着と、上高地から横尾まで約2時間のペース。
この頃になると天気もよくなってきて暑い。
横尾で少し休憩した後、8時20分に槍沢方面へ出発。

途中で槍沢を下ってきたあっちゃん、nonちゃんらのパーティーと出会う。
槍沢ロッジには9時25分到着。横尾から約1時間。
ここでも少し休憩。
じつはこの休憩場所にいた3パーティー、皆北鎌を目指すパーティーのようだ。
ちゃんとした水場という意味では最後の水場となるババ平のテン場を超え、大曲には10時45分到着。
ここから東鎌尾根上の水俣乗越まで標高差約400mの急登。
標識に従って右手のガレ沢を登って行く。

約1時間の登りで11時50分に水俣乗越へ到着。
ほどなくして、槍沢ロッジで出会った外人さんと年配の方の2人組パーティーが登ってくる。

時間的には昼休憩をとってもよい時間だったが、この水俣乗越は日陰がまったくないので暑い。
北鎌沢出合まで下り切ってから昼ごはんを食べることにして、標識の向こう側のザレ場の急坂を下りていく。
この下り、急なだけでなく足元の砂やガレが崩れていって、なかなかいやらしい。
雪渓が残っている時期はアイゼンがなければ下れないだろう。
大下りの最後の樹林帯を抜けた所で100mほど雪渓が出てくる。
雪渓は残っていないと思っていたのでアイゼンやらピッケルやらは持ってきていなかったが、普通の登山靴でなんとか降りていける程度のコンディションだったのでよかった。
といいながら、何度か滑ってこけたが。。。

雪渓の下りでは左手にこれから登る北鎌尾根と槍ヶ岳を望むことができる。

写真右側のピークが独標(2899m)で、そこから右に落ち込んでいる辺りが本日の到達目標地点となる北鎌のコル。
結局この山行中、槍の姿を拝むことができたのは、ここでの一度だけになろうとは。。。
大下りを約40分下り、そこから勾配の緩くなった沢筋をまだまだ下っていく。
途中から沢の水がたっぷりと流れ出しており、ここで水を汲めるが、少し先に行くと沢の水はすぐに消えてなくなってしまう。

13時半頃に北鎌沢出合に到着。
ケルンが積んであり、下から見上げるとほぼ一直線に北鎌のコルまで突き上げている。
北鎌沢は途中から右俣と左俣に分岐しており、最下流で一本になっている。
北鎌沢は水俣乗越から下りてきて2本目の大きな沢というネットの記述があったが、1本目の沢はおそらく先に水が流れていた上流の間ノ沢のことだと思うが、進行方向背後からの沢なのでわかりにくい。
本日のメインの登りを前にして腹ごしらえすべく、ここで昼ごはん。
2人パーティーは北鎌沢を登り始めた辺りたっぷりと水が出ている場所で昼休憩のようだ。
この日のように北鎌沢でも給水は可能だったが、天候の状態や時期によってはここで水が汲めるとは限らないようなので、できれば事前に水は汲んでいるほうがいいだろう。
そうこうしているうちに、4人組のもう1パーティーが追いついてくる。
14時ちょっと過ぎに3パーティーのうちわれわれがトップで北鎌沢を登り始める。
さて、ネット情報では、この北鎌沢で道迷いしたパーティーが結構多いことに気付く。
で、事前にある程度調べていたはずだったが。。。
結果から先に言うと、見事にコースアウトしてしまった。

帰ってきてからもう一度ネットで調べてみると、北鎌沢でコースアウトするポイントは大きく以下の3ヶ所あることが改めてわかる。
● 登り始めてすぐの左俣と右俣の分岐
● 右俣中間ぐらいにある小さな右への踏み跡
● 右俣上部の大きな分岐
最初のポイントだが、何も考えずに沢に沿って登っていると、自然に左俣へと行ってしまう。
この左俣は雪渓がしっかりと残っている時期には独標の基部辺りまで登り詰めることができるようだが、雪渓がなくなっていると非常に悪い草付きの急登で、かなり危険なようだ。
ただし、この分岐は比較的明瞭なため、注意していればすぐに気付くはずで、われわれもここはちゃんと右への分岐を辿ることができた。
次のポイントが中間辺りで草の中を右へと続いている踏み跡。
ネットの情報で、右俣は「分岐で右へ、右へ」という記述がよく出てくるが、このフレーズが罠だった。
ここを右に行ってしまってはダメ。
もっともこの分岐は、分岐というほどのものではなく、最初メインの沢筋を行こうとしたが「分岐は右へ」というフレーズが頭をよぎって、この罠に嵌ってしまった。
しかも、この踏み跡にコースアウトしているパーティーは非常に多いようで、かなり明瞭な踏み跡ができてしまっている。
道は細いものの分岐地点からしばらくはかなり明瞭な踏み跡がついており、最初は特に疑うこともなく進んでいく。
次第に道が悪くなってきて、踏み跡もやや不明瞭になってきた辺りからコースアウトの疑念を抱くが、後ろにも2人パーティーがついて来ており、もう少し様子をと思ううちにどんどん深みに。。。
ほぼコースアウトしたことが間違いないと確信したのはかなり登ってしまってから。
もう、ここまで来たら引き返すのも大仕事。
後ろのパーティーとも声を掛け合って、多少悪くても稜線に出れば何とかなるかとの目論見で上方突破することに。
草つきの悪い急登で、抜けそうな雑草を掴み掴み、足が滑るのをこらえながら必死で登っていく。
さらに勾配が急なルンゼ状になった辺りで、重いザックを背負った状態で、なおかつ確保なしでは、ちょっとそれ以上登れないなという所へ出る。
空身で確保があれば、なんとか突破できそうな気もするが、その上部の状態もいまいちよくわからない。
ルンゼ下部の右手に、少し平らで上部が被っている岩小屋のような場所があったのでいったん退避して後続の2人(青島さんとクリス)と作戦会議。

クリスがハーネスとザイルを付けて登ってみるということで、青島さんがルンゼ下の木でセルフビレイをセットしてATCにザイルを通す。
登っていったクリスの姿は下からは見えないが、かなり難儀している様子。
そして突然「ウワーッ」というクリスの叫び声と大きな音。
上部は見えないので何が起こったのかわからないが、クリスの声と共に何かが転がり落ちてくる音が響く。
てっきりクリスが滑落して落ちてくると思い、青島さんもザイルを張るが、中間支点はほとんど取れないような場所なのでかなり落ちるんじゃないかと思っていたら、
大きな石だけがルンゼを転がり落ちていき、そして静寂が。
青島さんの呼びかけにクリスが応えて、なんとか無事なことを確認でき安心する。
クリスがクライムダウンしてきて、上も登れない様子だということなので、懸垂下降で撤退することに。
最初の支点はルンゼ下のセルフを取った木でOKだとして、次の支点が取れるかどうか???
下の支点がわからない場合はできるだけ長いザイルがあったほうが有利だが、幸いなことに青島さん&クリスパーティーの持っていた30mザイルと、われわれが持ってきていた50mザイルをつないで80mになる。
つまり1ピッチ40mの懸垂下降ができるわけだ。
これが30mロープ一本だと15mの懸垂しかできないんで、えらい違いとなる。
結果、途中の支点はすべて木で取って40mいっぱいの懸垂下降を3ピッチで安全な所まで降りることができた。
コースアウトした分岐地点まで戻って4人でやっと安堵の一息を。
気を取り直して再び正規の右俣を登って行く。
最後のコースアウトのポイントは上部の明瞭な分岐で、ここは右に行かなければならない。
じつは、われわれがコースアウトして脱出劇を繰り広げている間に、われわれを抜いて先行して行った4人組パーティーはこの分岐を左に行ってしまったようだ。
この先行パーティーには北鎌の経験者がいたらしいが、それでもコースアウトしてしまったらしい。
さらにクリスもこの先行パーティーの後を追って左へと登って行ってしまった様子。
少し遅れていた青島さんは分岐を右に行ったようだ。
その後、さらに遅れて登っていたわれわれもその分岐に到達して左の分岐を10mほど進むが、ここで例の「分岐を右へ」を思い出す。
しばし考えた後、引き返して右へと進むことに。結果、これが正解。
「最後の分岐は右へ」というのもネットでよく出てくる記述だが、どこが最後なのか初めて登る際にはわからんやろ。。。
ただし、その上でももうひとつ小さなコースアウトポイントがあったが。。。
この時点で先行パーティーの姿はまったく見えず、少し心配になって上部に向かって「おーいっ」と声を掛けると、左上からクリスの声が、そして右上から青島さんの声が。
あれっ???
先に書いたように、クリスは左に、青島さんは右へ、お互い違う道を選んでいたようで、この時点でクリスも青島さんが自分とは違う方向に行ったことに気付いたらしい。
後でクリスから聞くことになるが、この左もかなり悪かったらしく、先行の4人パーティーもザイルを出していたようだ。
さて、最後の右への分岐をしばらく登っていくと北鎌のコルへ到着するわけだが、コル手前20mぐらいの地点でやや左方向にやや不明瞭な踏み跡が残っている。
青島さんはこの踏み跡を見落としたようで、右手の方へ登っていってしまった。
で、これまた非常に悪い草付きの急登で、下りてこられない様子なので、こちら側の比較的しっかりした木がある場所まで行って、ザイルの末端を青島さんへ投げる。
ザイルを木に張って固定し、青島さんはザイルを頼りに草付きの斜面をこちら側へうまくトラバースできた。
クリスも稜線通しに無事にこちら側へ合流。
そうこうやっている間に、ミホは北鎌のコルに到着してテントが張れると大喜びしている。
てっきり先行パーティーに北鎌のコルは占領されていて、さらにその先の天狗の腰掛辺りまで行かなければテントは張れないと思っていたので、よっぽど嬉しかったようだ。
北鎌のコルにはテント2張り、一人用テントなら3張りはできそう。
この時点で18:30ぐらい。辺りはだんだんと暗くなってくるのでテントを張って晩飯の準備。
この北鎌のコル、ものすごい虫の数。大量のブヨが数十匹たかってくる。
追い払っても追い払ってもたかられて、ブヨにこめかみの辺りや腕を咬まれるが、そのうち暗くなると少しずついなくなっていった。
持ってきたビールを4人で分けて乾杯!
晩飯は鍋。
鶏肉につくね、大根、人参、舞茸、白ネギ、タラ、豆腐、キムチ、と具沢山の寄せ鍋に最後はウドンやらラーメンやら何でもかんでも入れて、おなかいっぱい。
今回は北鎌尾根〜槍の後、前穂北尾根まで行くつもりだったので3日分の食料にチューハイや梅酒、つまみまでたっぷり、水もかなり余裕を見て5L近く担いできたので、ザックの重量も今回は22〜23kgに抑えるつもりが、おそらく27〜28kgになっていただろう。
ところで青島さんとクリスは埼玉から来ており、クライミングもやっているということでジムを聞いたらやっぱりPUMP1。
そういえば、スイス人のクリスはどこかで見かけたことがあると思っていた。PUMP1で登っていた外人さんを思い出した。
世間は狭いもんで、話も弾み、明日も槍まで4人で一緒に行こうということに。
御在所 藤内壁 アルパイントレ
よくよく考えたら最後に行ったアルパインは去年9月の甲斐駒ダイヤモンドAフランケなんで、最近ちょっと御無沙汰。
アルパインはフリーと違ってギアの扱いやザイルワーク、パートナーとの連携、コールのやり取りなど、いろいろと練習しておくことがたくさんある。
夏から秋にかけてのヴァリエーションやアルパイン山行がたくさん控えているので、簡単なおさらい練習のために御在所の藤内壁前尾根へ。
8月3日(日曜日)
早朝に大阪を出発して8時半に北谷橋手前の駐車場へ到着。
すでに車がいっぱいで、なんとか道路脇へ無理やり車を停める。
日向小屋、藤内小屋を経由して登山道を藤内沢方面へ。
いやぁ、それにしても暑い(-_-;
大阪のど真ん中に比べれば多少標高が高いといっても、この程度じゃ暑さはマシにならんか。。。
藤内小屋を超えた辺りの登山道 
「ロッククライマー以外は危険です」の看板があるので左へ
沢を詰めていくと前方に大きく聳える一の壁が見えてくる。

この日はポピュラーな前尾根のP7ノーマル・ルートで練習。
前尾根は一の壁へと向かう沢から右手に分岐する所のすぐ右側。
分岐を左に行けば一の壁、右手分岐のすぐ右上が前尾根の取り付き
すでに2パーティーが先着していて、1パーティーが取り付いている。
先行1パーティーのラスト 
簡単なルートなのですぐに先行2パーティーは丈夫に消えて行き、我々も練習開始。

今回はルートを登ることが目的じゃないので、3ピッチ目以降が渋滞していたため脇道から降りて、その後もう一度1ピッチ目で懸垂下降などの練習。
懸垂下降の練習 
さらに、ノーマルルートでなく、クラックのルートをトップロープで練習。下部の「フィンガー」上部の「蛇の皮」、どちらも短い5.9のクラックだが、なかなか難しい。。
最終的にはクリアできたが、NPセットしながらは怖いやろな。。。
下部の一番右端のクラックが「フィンガー 5.9」
上部はノーマルルートは右に抜けるが、左から右斜め上へ走っているクラックが「蛇の皮 5.9」
支点工作やザイルワーク、コール、懸垂下降などの練習を一通りやって14時ごろ下山。
一の壁にもたくさんのクライマーが張り付いていました(^^

アルパインはフリーと違ってギアの扱いやザイルワーク、パートナーとの連携、コールのやり取りなど、いろいろと練習しておくことがたくさんある。
夏から秋にかけてのヴァリエーションやアルパイン山行がたくさん控えているので、簡単なおさらい練習のために御在所の藤内壁前尾根へ。
8月3日(日曜日)
早朝に大阪を出発して8時半に北谷橋手前の駐車場へ到着。
すでに車がいっぱいで、なんとか道路脇へ無理やり車を停める。
日向小屋、藤内小屋を経由して登山道を藤内沢方面へ。
いやぁ、それにしても暑い(-_-;
大阪のど真ん中に比べれば多少標高が高いといっても、この程度じゃ暑さはマシにならんか。。。


沢を詰めていくと前方に大きく聳える一の壁が見えてくる。

この日はポピュラーな前尾根のP7ノーマル・ルートで練習。
前尾根は一の壁へと向かう沢から右手に分岐する所のすぐ右側。

すでに2パーティーが先着していて、1パーティーが取り付いている。

簡単なルートなのですぐに先行2パーティーは丈夫に消えて行き、我々も練習開始。

今回はルートを登ることが目的じゃないので、3ピッチ目以降が渋滞していたため脇道から降りて、その後もう一度1ピッチ目で懸垂下降などの練習。

さらに、ノーマルルートでなく、クラックのルートをトップロープで練習。下部の「フィンガー」上部の「蛇の皮」、どちらも短い5.9のクラックだが、なかなか難しい。。
最終的にはクリアできたが、NPセットしながらは怖いやろな。。。


支点工作やザイルワーク、コール、懸垂下降などの練習を一通りやって14時ごろ下山。
一の壁にもたくさんのクライマーが張り付いていました(^^

塩見岳
2週連続の南アルプスは、冬に登りたいと思っている塩見岳へ偵察登山。
南アルプスは関西から遠いイメージがあるが、塩見岳へは中央道の松川で降りて鳥倉林道から登れば近いということを知らなかった。。。
当日の早朝に大阪を出ても十分山頂までたどり着けるだろうが、この時期は駐車場が早い時間から満車になるだろうと予測して前夜出発に。
1日目(7月26日 土曜日)
翌朝8時前に駐車場を出発。

しばらく緩やかな登りの舗装路を行くと豊口山登山口へ着き、そこから左の登山道を登って行く。
登り出しからいきなりの急登。
登山道にはセンジュガンピがたくさん
三伏峠へは10時45分に到着。
豊口登山口を8時半に登りだしたので、ここまでのタイムは2時間15分。
ここから三伏山を越えて本谷山への登り。
本谷山まで来れば、塩見岳が大きく見える。

本谷山からはいったん下ってからの登り返しとなる。
下り切った辺りで倒木に腰掛けて昼ごはん。
塩見小屋には14:00に到着。

じつはここに来るまで塩見小屋のテン場でテントを張るつもりでいたのだが、塩見小屋にはテン場はなく、周辺は幕営禁止。。。

仕方なく山頂付近でビヴァークという名目でテント張る場所を探すしかないか。。。
塩見岳への登り
塩見岳頂上(西峰)
塩見岳は双耳峰であり、正式なピークは西峰(3046m)となっている。東峰(3052m)よりも低いのに。
頂上はテント一張りぐらいできる平らなスペースがあるかと期待していたが、残念ながら狭くはないもののゴツゴツの岩場ピークって感じでテントは張れそうにない。
東峰
で、東峰まで行ってみると奥へ少し下ったところがか平らな大地上になっている。
ここで緊急(?)ビヴァーク決定。

本日の晩御飯はソーセージ入りハヤシライス。

夜中は北岳方面で頻繁に雷が轟く。
ポツポツとテントに雨があたる音も聞こえる。
雷光でテントの中まで明るくなるぐらいで、雷雲がこちらへ来ないことを祈るばかり。
しばらくすると雨の音も雷の音も聞こえなくなり、入り口を開けて夜空を見上げると満天の星空。
これまでにもアルプスの夜空でたくさんの綺麗な星空を見てきたが、この夜の空には真っ直ぐ頭上に天の川がズバーッと走っており、感動的な美しさだ。
普段の街中ではこの星空は絶対に見ることはできないだろう。
2日目(7月27日 日曜日)
朝4時前に起床。
簡単な朝食を食べて、テントの外で御来光を待つ。
富士山のシルエットが綺麗に浮かぶ。

日の出と時を同じくして西側の谷からガスが立ち昇ってくる。
上空の風は強く、朝日に彩られたガスが面白い紋様を描いていて、見ていて飽きない。

5時過ぎに下山開始。
雲海に包まれる塩見岳への尾根
下山時には頂上は完全にガスの中で視界はほとんどなし。
塩見小屋から山頂へと御来光を見に登ってくるパーティーがたくさんいるが、おたくらちょっと遅すぎやろっ。
もう何にも見えまへんでー。
一気に下山して駐車場へは10時過ぎに到着。
天気にも恵まれ、気持ちのいい初夏の南アルプスを堪能できました(^^
次は少し厳しい冬の塩見です。
南アルプスは関西から遠いイメージがあるが、塩見岳へは中央道の松川で降りて鳥倉林道から登れば近いということを知らなかった。。。
当日の早朝に大阪を出ても十分山頂までたどり着けるだろうが、この時期は駐車場が早い時間から満車になるだろうと予測して前夜出発に。
1日目(7月26日 土曜日)
翌朝8時前に駐車場を出発。

しばらく緩やかな登りの舗装路を行くと豊口山登山口へ着き、そこから左の登山道を登って行く。
登り出しからいきなりの急登。

三伏峠へは10時45分に到着。
豊口登山口を8時半に登りだしたので、ここまでのタイムは2時間15分。
ここから三伏山を越えて本谷山への登り。
本谷山まで来れば、塩見岳が大きく見える。

本谷山からはいったん下ってからの登り返しとなる。
下り切った辺りで倒木に腰掛けて昼ごはん。
塩見小屋には14:00に到着。

じつはここに来るまで塩見小屋のテン場でテントを張るつもりでいたのだが、塩見小屋にはテン場はなく、周辺は幕営禁止。。。

仕方なく山頂付近でビヴァークという名目でテント張る場所を探すしかないか。。。


塩見岳は双耳峰であり、正式なピークは西峰(3046m)となっている。東峰(3052m)よりも低いのに。
頂上はテント一張りぐらいできる平らなスペースがあるかと期待していたが、残念ながら狭くはないもののゴツゴツの岩場ピークって感じでテントは張れそうにない。

で、東峰まで行ってみると奥へ少し下ったところがか平らな大地上になっている。
ここで緊急(?)ビヴァーク決定。

本日の晩御飯はソーセージ入りハヤシライス。

夜中は北岳方面で頻繁に雷が轟く。
ポツポツとテントに雨があたる音も聞こえる。
雷光でテントの中まで明るくなるぐらいで、雷雲がこちらへ来ないことを祈るばかり。
しばらくすると雨の音も雷の音も聞こえなくなり、入り口を開けて夜空を見上げると満天の星空。
これまでにもアルプスの夜空でたくさんの綺麗な星空を見てきたが、この夜の空には真っ直ぐ頭上に天の川がズバーッと走っており、感動的な美しさだ。
普段の街中ではこの星空は絶対に見ることはできないだろう。
2日目(7月27日 日曜日)
朝4時前に起床。
簡単な朝食を食べて、テントの外で御来光を待つ。
富士山のシルエットが綺麗に浮かぶ。

日の出と時を同じくして西側の谷からガスが立ち昇ってくる。
上空の風は強く、朝日に彩られたガスが面白い紋様を描いていて、見ていて飽きない。

5時過ぎに下山開始。

下山時には頂上は完全にガスの中で視界はほとんどなし。
塩見小屋から山頂へと御来光を見に登ってくるパーティーがたくさんいるが、おたくらちょっと遅すぎやろっ。
もう何にも見えまへんでー。
一気に下山して駐車場へは10時過ぎに到着。
天気にも恵まれ、気持ちのいい初夏の南アルプスを堪能できました(^^
次は少し厳しい冬の塩見です。
南アルプス縦走
この7月の3連休はせっかく東京に出張中なので南アルプスにでも。
大阪からだと南アルプスの山梨側は中央道を廻りこまなければいけないので、かなり遠いイメージがある。
東京だと、新宿から特急に乗って甲府まで約1時間半。
うらやましい近さだ
南アルプスの山は3年前にバットレス4尾根から北岳に登ったのが初めてで、その後、冬の甲斐駒に2度。
赤石沢奥壁のダイヤモンドAフランケの登攀も含めると甲斐駒には3度登っていることになるが、それでも北岳と甲斐駒の2つの山に合計4度だけ。
今回の東京出張へは山道具一式持参しており(何しに東京行ってんねん。。。)テント担いで2泊3日できるため、南アルプスの北部の鳳凰三山、甲斐駒、千丈、間ノ岳、北岳と、7座を縦走する贅沢なプランを。
結果として甲斐駒へは立ち寄らず、最後は天候悪化で間ノ岳手前で引き返して下山したため当初の計画を完遂することはできなかったが、ほぼ予定通りのコースを辿ることができ有意義な山行となりました
1日目(7月19日 土曜日)
朝6時半に銀座を出発して新宿発の特急スーパーあずさに乗って甲府へと向かう。
行楽シーズンの3連休だけに電車内は超満員のスシ詰め状態で、普段マイカーでしか山に行かない者としては初っ端からちょっとウンザリモード
夜叉神峠から、登山開始はちょうど10時半。
前の山行(燕岳)から丸々2ヶ月空いてしまったため、登り初めはかなり息が上がり、滝のような汗が流れ落ちる。
それでも久しぶりの山で気分は最高。
夜叉神峠へは11時に到着。
視界が開け、前方にはまだ少し雪渓の残る北岳の雄姿が。

苺平で少し行動食を口に入れ、南御室小屋へと下っていく。
南御室小屋へは12時45分に到着。
ここまで2時間15分。標準コースタイムである5時間半の半分以下と、かなりいいペース。

小屋の裏の急登を喘ぎながら登り切り、なだらかな稜線に出ると背後に富士山が。

鳳凰三山の最初の薬師岳(2780m)へは13時45分に到着。
砂礫とハイマツが印象的な稜線で眺めは最高。

薬師岳から15分ほどで着く鳳凰三山の2つ目は観音岳(2840m)。
この辺りからは前方に甲斐駒が大きく見えるようになってくる。

さらに1時間ほどで鳳凰三山最後の地蔵岳(2764m)。
ここはオベリスクと呼ばれるするどく尖った岩塔が有名で、甲斐駒の黒戸尾根からもよく見える。

ここからはしばらく稜線を行った後、白鳳峠へと急坂を下る。
下の写真中央左の稜線がこれから進む道で、見えているピークはアサヨ峰か。右奥にはどっしりと甲斐駒が聳えている。

白鳳峠からは緩やかな登りと下りで広河原峠へ。この時点で16時50分。
そこから20分ほど登って早川尾根小屋へは17時10分に到着。
もう少し進んでおきたいところだが、この先の幕営地はかなり先なので、この日の行動はここで打ち切り。
この日は標準コースタイムで11時間45分かかるコースを6時間40分で踏破。
テントを張り、小屋でビールを買って晩飯。

2日目(7月20日 日曜日)
朝は4時半に出発。
月に照らされる幻想的な北岳。

次第に朝日が昇り、北岳や甲斐駒がピンク色に染まる。


そしてアサヨ峰(2799m)を5時50分に通過し、栗沢山(2714m)へは6時20分に到着。
ここから右手北側へ行けば仙水峠、駒津峰を越えて甲斐駒ピークへと続くが、甲斐駒には2度登っているので寄るのはやめ、左手西側に下りて千丈ヶ岳へ向かうことにする。
栗沢山からの千丈ヶ岳が新緑に映えて、とてもいい眺め。

下りは最初はハイマツ帯の岩稜線だが、次第に樹林帯の中へと入っていき、急坂を40分で一気に北沢長衛小屋まで。ここで時計は7時ちょうど。

テン場の横を抜けて、仙丈ケ岳への登りへ。
8時40分に大滝の頭5合目へ到着。ここから道は左右に分かれているが、小千丈へと向かう左側の道を行く。
小千丈ヶ岳(2855m)へは9時15分に到着。
新緑と小千丈沢カールの景色がすばらしい。

ここまで天気はよかったが、千丈ヶ岳の頂上が近付くにつれガスが沸いてきて、本峰の千丈ヶ岳(3033m)へ着いた時点で辺りは真っ白に。この時点で9時55分。

千丈ヶ岳山頂で早めの昼食を取って、間ノ岳方面へ向かうため仙塩尾根を南に。

この仙塩尾根、前半こそ気持ちのいい稜線歩きという感じだったが、次第に嫌いなハイマツの樹林帯へと。さらに頭上は時折雲に覆われ、天気も怪しい感じ。
横川岳からやや左手東へ進路を変えてさらに進み、野呂川越へは13時半に到着。

ここから東側へ急坂を下れば両俣小屋だが、真っ直ぐ道なりに三峰岳方向へ進む。
三峰岳へはコースタイムで3時間、そして三峰岳から間ノ岳山頂へは1時間なので、実際には2時間半ほどの16時頃に間ノ岳山頂に到着できるだろう。
そこから北岳山荘へは遅くても1時間で着けるはずなので、暗くなるまでにはテン場へ到着できる予定。
天気も悪くなってきているし、あまり余裕のある行程ではないので先を急ぐ。
そして2時間近く掛けて三峰岳のすぐ手前まで来たところで、雨が降り出す。遠くで雷鳴も聞こえる。
現在地点は樹林帯なのでそれほど雨がかかるわけではないが、この先の三峰岳から間ノ岳山頂までは地図に痩せた岩稜と書かれているので、雨風はまともだろうし、もし雷雲につかまったら逃げ場はない。
ここから引き返すとなると、間ノ岳だけでなく北岳へ登り返すこともきついので、両ピークをあきらめることになるが、安全第一ですぐに撤退を決定。
ここまで来た道を一気に引き返して野呂川越の分岐点まで戻る。
野呂川越から両俣小屋への下りはかなりの急坂だが、ここも一気に下って15時40分に両俣小屋へ到着。
で、この頃には雨も止んでいたが仕方ない。。。
両俣小屋でもビールを買って、小屋前の木のデッキを借りて晩飯に。

猫が二匹いました。


結果的に7座縦走はできなかったものの、ほぼ計画通りのタイムで行程をこなすことができたので満足。
いずれやろうと思う南アルプス全山縦走のために取っておこう(^^
大阪からだと南アルプスの山梨側は中央道を廻りこまなければいけないので、かなり遠いイメージがある。
東京だと、新宿から特急に乗って甲府まで約1時間半。
うらやましい近さだ
南アルプスの山は3年前にバットレス4尾根から北岳に登ったのが初めてで、その後、冬の甲斐駒に2度。
赤石沢奥壁のダイヤモンドAフランケの登攀も含めると甲斐駒には3度登っていることになるが、それでも北岳と甲斐駒の2つの山に合計4度だけ。
今回の東京出張へは山道具一式持参しており(何しに東京行ってんねん。。。)テント担いで2泊3日できるため、南アルプスの北部の鳳凰三山、甲斐駒、千丈、間ノ岳、北岳と、7座を縦走する贅沢なプランを。
結果として甲斐駒へは立ち寄らず、最後は天候悪化で間ノ岳手前で引き返して下山したため当初の計画を完遂することはできなかったが、ほぼ予定通りのコースを辿ることができ有意義な山行となりました
1日目(7月19日 土曜日)
朝6時半に銀座を出発して新宿発の特急スーパーあずさに乗って甲府へと向かう。
行楽シーズンの3連休だけに電車内は超満員のスシ詰め状態で、普段マイカーでしか山に行かない者としては初っ端からちょっとウンザリモード
夜叉神峠から、登山開始はちょうど10時半。
前の山行(燕岳)から丸々2ヶ月空いてしまったため、登り初めはかなり息が上がり、滝のような汗が流れ落ちる。
それでも久しぶりの山で気分は最高。
夜叉神峠へは11時に到着。
視界が開け、前方にはまだ少し雪渓の残る北岳の雄姿が。

苺平で少し行動食を口に入れ、南御室小屋へと下っていく。
南御室小屋へは12時45分に到着。
ここまで2時間15分。標準コースタイムである5時間半の半分以下と、かなりいいペース。

小屋の裏の急登を喘ぎながら登り切り、なだらかな稜線に出ると背後に富士山が。

鳳凰三山の最初の薬師岳(2780m)へは13時45分に到着。
砂礫とハイマツが印象的な稜線で眺めは最高。

薬師岳から15分ほどで着く鳳凰三山の2つ目は観音岳(2840m)。
この辺りからは前方に甲斐駒が大きく見えるようになってくる。

さらに1時間ほどで鳳凰三山最後の地蔵岳(2764m)。
ここはオベリスクと呼ばれるするどく尖った岩塔が有名で、甲斐駒の黒戸尾根からもよく見える。

ここからはしばらく稜線を行った後、白鳳峠へと急坂を下る。
下の写真中央左の稜線がこれから進む道で、見えているピークはアサヨ峰か。右奥にはどっしりと甲斐駒が聳えている。

白鳳峠からは緩やかな登りと下りで広河原峠へ。この時点で16時50分。
そこから20分ほど登って早川尾根小屋へは17時10分に到着。
もう少し進んでおきたいところだが、この先の幕営地はかなり先なので、この日の行動はここで打ち切り。
この日は標準コースタイムで11時間45分かかるコースを6時間40分で踏破。
テントを張り、小屋でビールを買って晩飯。

2日目(7月20日 日曜日)
朝は4時半に出発。
月に照らされる幻想的な北岳。

次第に朝日が昇り、北岳や甲斐駒がピンク色に染まる。


そしてアサヨ峰(2799m)を5時50分に通過し、栗沢山(2714m)へは6時20分に到着。
ここから右手北側へ行けば仙水峠、駒津峰を越えて甲斐駒ピークへと続くが、甲斐駒には2度登っているので寄るのはやめ、左手西側に下りて千丈ヶ岳へ向かうことにする。
栗沢山からの千丈ヶ岳が新緑に映えて、とてもいい眺め。

下りは最初はハイマツ帯の岩稜線だが、次第に樹林帯の中へと入っていき、急坂を40分で一気に北沢長衛小屋まで。ここで時計は7時ちょうど。

テン場の横を抜けて、仙丈ケ岳への登りへ。
8時40分に大滝の頭5合目へ到着。ここから道は左右に分かれているが、小千丈へと向かう左側の道を行く。
小千丈ヶ岳(2855m)へは9時15分に到着。
新緑と小千丈沢カールの景色がすばらしい。

ここまで天気はよかったが、千丈ヶ岳の頂上が近付くにつれガスが沸いてきて、本峰の千丈ヶ岳(3033m)へ着いた時点で辺りは真っ白に。この時点で9時55分。

千丈ヶ岳山頂で早めの昼食を取って、間ノ岳方面へ向かうため仙塩尾根を南に。

この仙塩尾根、前半こそ気持ちのいい稜線歩きという感じだったが、次第に嫌いなハイマツの樹林帯へと。さらに頭上は時折雲に覆われ、天気も怪しい感じ。
横川岳からやや左手東へ進路を変えてさらに進み、野呂川越へは13時半に到着。

ここから東側へ急坂を下れば両俣小屋だが、真っ直ぐ道なりに三峰岳方向へ進む。
三峰岳へはコースタイムで3時間、そして三峰岳から間ノ岳山頂へは1時間なので、実際には2時間半ほどの16時頃に間ノ岳山頂に到着できるだろう。
そこから北岳山荘へは遅くても1時間で着けるはずなので、暗くなるまでにはテン場へ到着できる予定。
天気も悪くなってきているし、あまり余裕のある行程ではないので先を急ぐ。
そして2時間近く掛けて三峰岳のすぐ手前まで来たところで、雨が降り出す。遠くで雷鳴も聞こえる。
現在地点は樹林帯なのでそれほど雨がかかるわけではないが、この先の三峰岳から間ノ岳山頂までは地図に痩せた岩稜と書かれているので、雨風はまともだろうし、もし雷雲につかまったら逃げ場はない。
ここから引き返すとなると、間ノ岳だけでなく北岳へ登り返すこともきついので、両ピークをあきらめることになるが、安全第一ですぐに撤退を決定。
ここまで来た道を一気に引き返して野呂川越の分岐点まで戻る。
野呂川越から両俣小屋への下りはかなりの急坂だが、ここも一気に下って15時40分に両俣小屋へ到着。
で、この頃には雨も止んでいたが仕方ない。。。
両俣小屋でもビールを買って、小屋前の木のデッキを借りて晩飯に。

猫が二匹いました。


結果的に7座縦走はできなかったものの、ほぼ計画通りのタイムで行程をこなすことができたので満足。
いずれやろうと思う南アルプス全山縦走のために取っておこう(^^
残雪の北アルプス 燕岳〜大天井岳 2日目
1日目はこちら
2日目は朝4時起床の予定だったが、昨晩騒がしかったパーティーが3時頃からまたまたうるさい。
4時過ぎに朝食を食べ、テントの入り口から外を覗き見ると、ちょうど太陽が昇ってきたところ。
カメラを片手に外へと出る。
燕岳 
北鎌尾根と槍ヶ岳 
朝日に照らされるテン場 
手前に爺ヶ岳と奥に鹿島槍ヶ岳 
槍ヶ岳から穂高連峰 
素晴らしい朝の景色を堪能した後、大天井岳に向けて5時半にテン場を出発。
槍を望みながらの人気コースである表銀座はシーズン中は大混雑らしいが、さすがにこの時期は静かな縦走を楽しめる。
中央左のピークが大天井岳 
このコースは基本的になだらかな稜線歩き。
この時期にしては気温も低かったため雪もよく締まっており、雪面に刺さるアイゼンの音が心地よい。
大下りの頭から、文字通りいったんコルへ大きく下る。
当然、帰りは大登りになるのがちょっとブルー。
大下りの頭 
コルからは少し登った後、ほぼ平坦な稜線を進み、その後山頂への最後の急登。
夏道はトラバース道を行くようだが、積雪期は直登するようだ。
青い空と白い雪のコントラストが美しい 
山頂直下 
右手に槍を望みながらの急登 
大天井岳山頂へは8時半ごろに到着。
絶景の大パノラマで白山までくっきり見える。

程なくして例の騒がしかったパーティーが、相変わらず騒がしく登ってきた。
パーティーのうち何名かは初心者らしく、アンザイレンしてコンテで登ってきたようだ。
あの雪質と斜度でザイルを出さなければならないのかということはさておき、はっきりいって何か勘違いしているとしか思えない。
ちょうどこのGWに前剱で4人パーティーがアンザイレンして急斜面をコンテで登っているときに、ひとりが滑落して全員を巻き込んだ事故が発生しているのは記憶に新しいし、1月の宝剣岳での事故も初心者の女性が滑落して、ザイルでコンテしていた男性が引っ張り込まれて一緒に滑落死している。
急斜面のコンテで滑落を止められるという根拠のない自信は、いったいどこから来るのだろうか?
エキスパートの山岳ガイドでさえ難しいと言っているのに。
特に今回の大天井岳の直登のような斜面で、誰かひとりが滑落すれば、まず止められないだろう。
パーティー全員を巻き込んでの悲劇になることは容易に想像できる。
アンザイレンのコンテは稜線や雪渓においては状況によってかなり有効に機能すると思われるが、その場合でもパーティー全員が、誰かひとりの滑落を止められる訓練を普段からしっかりとやっていることが前提だろう。
もしもパーティーの中に初心者がおり、雪の急斜面を登る際に滑落の心配があってザイルを出すのであれば、中途半端なコンテではなく、きちんとスタカットにすべきだ。どうしてもコンテで行くなら、せめて1対1のタイトロープにすべきであって、間違っても安易にアンザイレンのコンテなんてやるべきではないと思う。
雪山でパーティーがアンザイレンしているのを何かで見聞きして、盲目的にそうすれば安全だと勘違いしているだけなのか、それとも初心者の前でリーダーがかっこつけているだけなのか。
まぁ、あのパーティーの場合両方のような気がするが。。。
さらに、初心者らしき女の子が日焼け止めを貸してくれと言ってきた。
どうやらサングラスも持っていないらしく、あの様子ではおそらく目をやられてしまっているだろう。
パンダ焼けが嫌で、ほんの少しサングラスを外していただけで、帰りの車では目の疲れと痛みできつかったのに。。。
勘違いのザイルを出すぐらいなら、それよりもリーダーはきちんと初心者のコにサングラスを絶対に忘れないように指示しておくべきだ。
下山は、山頂からの下りが少し急なので慎重に。

大天井岳へ向かう行きよりも、なぜか遠く感じる帰りの燕山荘。
それでも、街では絶対に味わうことのできない素晴らしい景色と自然と空気の中の山歩きは至福のとき。

燕山荘へは11時半頃到着。
山荘前でラーメンを食べて、あまりにも気持ちいいので少しだけ昼寝。

ずっと寝ていたい誘惑を断ち切り、テント撤収して下山用意。
下りはアイゼンなしで一気に降りる。

下山後は中房温泉でまったりと。
なかなかいい感じの露天風呂で、しかも貸切!
豊科から高速に乗る手前で信州蕎麦を食べて帰ることに。
山菜天麩羅蕎麦を頼んだが、街中で食べる山菜とは全然違って、種類も豊富、近くで摘んできたばかりという感じの新鮮でたっぷりの山菜で大満足でした。

2日目は朝4時起床の予定だったが、昨晩騒がしかったパーティーが3時頃からまたまたうるさい。
4時過ぎに朝食を食べ、テントの入り口から外を覗き見ると、ちょうど太陽が昇ってきたところ。
カメラを片手に外へと出る。





素晴らしい朝の景色を堪能した後、大天井岳に向けて5時半にテン場を出発。
槍を望みながらの人気コースである表銀座はシーズン中は大混雑らしいが、さすがにこの時期は静かな縦走を楽しめる。

このコースは基本的になだらかな稜線歩き。
この時期にしては気温も低かったため雪もよく締まっており、雪面に刺さるアイゼンの音が心地よい。
大下りの頭から、文字通りいったんコルへ大きく下る。
当然、帰りは大登りになるのがちょっとブルー。

コルからは少し登った後、ほぼ平坦な稜線を進み、その後山頂への最後の急登。
夏道はトラバース道を行くようだが、積雪期は直登するようだ。



大天井岳山頂へは8時半ごろに到着。
絶景の大パノラマで白山までくっきり見える。

程なくして例の騒がしかったパーティーが、相変わらず騒がしく登ってきた。
パーティーのうち何名かは初心者らしく、アンザイレンしてコンテで登ってきたようだ。
あの雪質と斜度でザイルを出さなければならないのかということはさておき、はっきりいって何か勘違いしているとしか思えない。
ちょうどこのGWに前剱で4人パーティーがアンザイレンして急斜面をコンテで登っているときに、ひとりが滑落して全員を巻き込んだ事故が発生しているのは記憶に新しいし、1月の宝剣岳での事故も初心者の女性が滑落して、ザイルでコンテしていた男性が引っ張り込まれて一緒に滑落死している。
急斜面のコンテで滑落を止められるという根拠のない自信は、いったいどこから来るのだろうか?
エキスパートの山岳ガイドでさえ難しいと言っているのに。
特に今回の大天井岳の直登のような斜面で、誰かひとりが滑落すれば、まず止められないだろう。
パーティー全員を巻き込んでの悲劇になることは容易に想像できる。
アンザイレンのコンテは稜線や雪渓においては状況によってかなり有効に機能すると思われるが、その場合でもパーティー全員が、誰かひとりの滑落を止められる訓練を普段からしっかりとやっていることが前提だろう。
もしもパーティーの中に初心者がおり、雪の急斜面を登る際に滑落の心配があってザイルを出すのであれば、中途半端なコンテではなく、きちんとスタカットにすべきだ。どうしてもコンテで行くなら、せめて1対1のタイトロープにすべきであって、間違っても安易にアンザイレンのコンテなんてやるべきではないと思う。
雪山でパーティーがアンザイレンしているのを何かで見聞きして、盲目的にそうすれば安全だと勘違いしているだけなのか、それとも初心者の前でリーダーがかっこつけているだけなのか。
まぁ、あのパーティーの場合両方のような気がするが。。。
さらに、初心者らしき女の子が日焼け止めを貸してくれと言ってきた。
どうやらサングラスも持っていないらしく、あの様子ではおそらく目をやられてしまっているだろう。
パンダ焼けが嫌で、ほんの少しサングラスを外していただけで、帰りの車では目の疲れと痛みできつかったのに。。。
勘違いのザイルを出すぐらいなら、それよりもリーダーはきちんと初心者のコにサングラスを絶対に忘れないように指示しておくべきだ。
下山は、山頂からの下りが少し急なので慎重に。

大天井岳へ向かう行きよりも、なぜか遠く感じる帰りの燕山荘。
それでも、街では絶対に味わうことのできない素晴らしい景色と自然と空気の中の山歩きは至福のとき。

燕山荘へは11時半頃到着。
山荘前でラーメンを食べて、あまりにも気持ちいいので少しだけ昼寝。

ずっと寝ていたい誘惑を断ち切り、テント撤収して下山用意。
下りはアイゼンなしで一気に降りる。

下山後は中房温泉でまったりと。
なかなかいい感じの露天風呂で、しかも貸切!
豊科から高速に乗る手前で信州蕎麦を食べて帰ることに。
山菜天麩羅蕎麦を頼んだが、街中で食べる山菜とは全然違って、種類も豊富、近くで摘んできたばかりという感じの新鮮でたっぷりの山菜で大満足でした。


